「センス」の正体について考えてみた
よく、「センスがあるよね」とか、「センス無いね〜」などと言われたり、言ったりしますが、
じゃあ、具体的にどういう状態なのかピンとこなかったので考えをまとめてみました。
センスってなに?
センスとは。
英語で五感の意味。転じて、美的感覚や感性のこと。(引用:Wikipedia)
つまり、「美的感覚」のようなもの、と捉えることができます。
でも、感覚というのは生まれ持ったものであり、人それぞれ違うものなので、なんというかまだ曖昧でピンとこないんですよね。
そこで、具体的に「センスが無い」シーンを例に挙げて検証していこうと思います。
(洋服の)センスが無い
最も多くの人に身近なシーンだと思います。
洋服のセンスが無いというのは、例えば
- 色の組み合わせが下手
- サイズが合っていない
- 流行に遅れている
などがあると思います。
これら3つの「センスが無い」という状況のそれぞれに共通していることは、
「自分の描いたイメージ」と「外見」に大きくギャップが生まれてしまったということ。
春なのに暗くて重苦しい色の組み合わせになっていた
ジャケットの肩の位置が下にずれていた
など、自分の基準と世間とのギャップが「センスが無い」という状態を生み出してしまうのです。
(デザインの)センスが無い
実は、ここからが本題です。
デザイナーをやっていて、「デザインのセンスが無い」と言われるは苦痛以外の何物でもありません。
そりゃそうです。
一生懸命学んで、経験を重ねて仕事をしているのに対して、
「センス(美的感覚)がない」と一蹴するのはあまりにひどいじゃないですか。
でも、多くの人はセンス=感覚(生まれ持ったもの)という認識でいますが、実はそうじゃないんです。
例えば、また洋服の話に戻りますが、
中学時代、めっちゃダサい服を着ているやつに、久しぶりに合ったらめっちゃかっこよくなっていた
なんて経験ありませんか?
これはセンスが生まれ持った感性ではないと裏付ける一つの良い例です。
中学時代にダサい服を着ている友人も、その後卒業して新しい興味関心を抱くようになり、
毎月ファッション誌を読み漁ったり、毎週末渋谷に洋服を買いに出かける。
というような経験を経ていくことで、身に付ける洋服の種類・着こなしに変化が生まれたのです。
同じように、デザイナーにおける「センス」も後から身につけていくことが可能です。
センスを司る3つの要素
実は、「センス」の有無を決定付けるのは3つの要素があります。
それは、
- 着想
- 表現
- 極める
の3つ。
アイデアを着想して(1.着想)、それを具体的なカタチに落としこみ(2.表現)、最も最適なカタチにするためにディテールまでこだわり抜いていく(3.極める)。
それが良いデザインを生むプロセス、つまり「センスが有る」状態です。
では逆に、
「センスが無いな〜」と思ったデザインを思い出してみてください。
大抵の場合、次のうちのどれかに当てはまるはずです。
- アイデアは良いのに、カタチが良くない
- カタチは良いだけど、必要ない
- アイデアもカタチも良くない
多くのデザインは「着想」と「表現」の関係が曖昧で、分断されていたり、矛盾していたりするのです。
また、世の中で「良いデザイン」と評価されるものは、「着想」「表現」が一致していることは大前提で、ディテールや全体のありようを「極めた」ものだと私は認識しています。
センスのある人とは
センスのある人というのは、
生まれもった「才能」ではなく、日頃の「経験」の積み重ねによって「着想」し、それを正確に「表現」できる人です。
ですから、もし誰かに「センスが無い」と指摘されても、決して落ち込んだりせず、
どのプロセスで間違った判断をしてしまったのか。
情報収集が足りなかったのか。
表現が不適切だったのか。
・・・というふうに考えてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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