デザインってなんだろう?オリンピックエンブレムについて、私なりに考えてみた
サントリーのトートバッグトートバッグ盗作疑惑まで広がってしまっている、
佐野研二郎氏が手がけたオリンピックエンブレムについて、私なりに考えてみました。
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まず、問題のオリンピックのエンブレムはこちら。
1964年の東京オリンピックエンブレム(亀倉雄策氏のデザイン)を意識した、シンプルな形態と日本の和のカラーを想起させる、タイポグラフィ。
ベルギーの劇場ロゴの疑惑が指摘されると、ネットやSNSはその「盗作」ネタで大炎上。
しまいには、「招致のときのロゴのほうがいい」「パッとしない」「躍動感がない」という意見まで噴出。
問題が大きくなり、佐野研二郎氏自ら会見を開くことになりました。
オリンピックエンブレム盗作問題については、以下で指摘されているように、私も「ありえない」ことだと考えています。
(五輪エンブレム盗作疑惑にプロのデザイナーらが反論 「アニメキャラの見分けがつかないオカンと同じ」)
そもそも、「T」という文字をセリフ体で表現するとなれば、必然的に形状が似てくるのは当然です。
また、Tだけでなく、アルファベット全てをこのデザインで製作していたことも明らかになっており、ただ形状が似ているからといって盗作と決めつけるのは間違いだと思います。
「疑惑」の話はこれでいいとして、それに付随して炎上してきた「そもそもデザインが良くない」という意見が非常に気になりました。
「ぼくのかんがえた東京五輪エンブレム」1時間で作ってみたら…
↑これは一人のデザイナーがTwitterで投稿した「代案」。
先日デザインの先輩と飲んだら「梅野くん案を出しなさい」と宿題出されたので、「ぼくのかんがえた東京五輪エンブレム」を1時間でつくりましたw 招致ロゴ人気あるので同じく桜がいいかなって。東京の銀杏と日の丸を隠し持たせた感じ。 pic.twitter.com/hArewRQYI3
— umegrafix-梅野隆児 (@umegrafix) 2015, 8月 11
招致ロゴのような色彩で日本らしい「桜」をモチーフにデザインしたとのことですが、
これに対し、Twitterでは「こっちの方がいい!」と大盛り上がり。
正直、私は何がいいんだかさっぱり分からず唖然としていたのですが、
このデザインは別として「招致ロゴ」のほうが日本らしくて躍動感があって良い、という意見が一般的な意見なんだと思います。
一方、採用された佐野氏のデザインは、静的で侘び寂びを感じるようなデザイン。
なんとなく、「小難しい」感じもします。
人によって色んな意見があるんだと思いますが、
今回のこの温度差の原因は
「1964年の東京オリンピック、亀倉雄策氏をリスペクトしたデザイン」を望んだ審査委員会と、
「2020年の東京オリンピックを楽しみにしている」みんなの視点の差なんじゃないかと私は考えます。
今回のこのロゴ、私は当初そこまで悪くないんじない?と思っていたのですが、
あまりに理解者が少ないため、「あれ?そもそもデザインってなんだっけ?」と考えてしまいました。
そもそも「アニメキャラの見分けがつかないオカン」にこそ分かってもらえるデザインが、いいデザインといえるのではないか。
・・・なんて。
日本グラフィックデザイナー協会の偉い人が、「良いデザイン」としたもの=「良いデザイン」なの?
・・・なんて。
プロダクトデザインであれば、一般の人に理解されなければ致命的な問題だけど、
エンブレムのようなデザインは必ずしもそうでないのかな?
・・・なんて。
結論が出ないんでここらへんで終わりにしますが、そういう「差」って、なんだか今回の問題以外にも色んなところにあるような気がして、
色々考えさせられました。
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