建築初心者でも読みやすい 隈研吾さんの『僕の場所』
実は私、建築にあまりこれまで興味がなく、これまでなんとなく遠ざけてきたんですが、建築家、隈研吾さんの『僕の場所』という本に出会って少し建築が身近なものになりました。
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この本は、隈研吾さんが自分の考え方や行動の形式をゆかりのある「場所」に結びつけてご自身の建築を語る本なのですが、私のようにあまり「ケンチクケンチク」していない者でも読みやすい内容になっています。
むしろ、建築について、そして隈研吾さんについて変な先入観が無い方がいいのかも知れません。
本の中に、「死んだ家」という言葉が出てきます。
僕の家や、そのまわりのサラリーマンの住宅は「郊外住宅」で、そこには生命の循環は感じられませんでした。僕の家も含めて、みんな「死んだ家」のように感じられました。
それに対し、幼少時代の友達、「ジュンコちゃんち」は床下にヘビも潜む「生きた家」だと対比されています。この、「ジュンコちゃんち」というのは農家の家なんですが、読んでいくいくうちになんだか私の田舎にも通ずるところがあって妙に共感してしまいました。
「隙間のある建築」、「ブリコラージュ」という考え方も、なんだかすーっと身体に入ってきました。
読み終えた時、自分が今住んでいる空間や、通勤途中に見る様々な建築に対する考え方が少し変わった気がします。
建築に興味がない方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。