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『3Dモデリングでは作れない美しさ、柳宗理のケトル』

      2014/03/21

小さなストレスをすべて解消した画期的なケトル

今回ご紹介するデザインは日本を代表するプロダクトデザイナー、柳宗理氏のケトルです。
柳 宗理 ステンレス ケトル つや消し 311130

 

柳 宗理(やなぎ そうり、Sori Yanagi、1915年6月29日 – 2011年12月25日)は
日本のプロダクトデザイナー。ユニークな形態と意外な実用性を兼ね備えた作品が多く、
代表作に「バタフライ・スツール」がある。
実父は柳宗悦、祖父は柳楢悦。工業デザインの他に玩具のデザイン、
オブジェなども手がける。金沢美術工芸大学客員教授。

(引用:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E5%AE%97%E7%90%86)

このケトルの特徴をざっくりピックアップします。

  • 効率よく湯を沸かせるように一般的なケトルより底面を広くデザインしている
  • フタの大きさを大きくすることで水を注ぎやすく、手も奥まで入るのでメンテナンスが楽
  • 腕と手に無駄な負担をかけずに注げることができる考えぬかれたハンドル
  • お湯が湧いても、ハンドルが熱くならないように工夫された蒸気穴


「ケトル」でこれだけ内容の濃い特徴があげられるのってすごいと思いませんか?特に、ハンドルの形状は秀逸です。
極端な表現をすると、やじろべえのようにハンドルの中心部に重心を集めているので僅かな力でケトルを傾けたり、細かな調整も可能なのです。
このケトルでコーヒーをドリップできるくらい笑

実はこのケトル、昔大学進学が決まった私に母が買い与えてくれて愛用しているのですが、
ドリップポットなんて買う金がない私は、このケトルでよくコーヒー入れてました。

柳宗理氏は、デザインをする際、どんなデザインでもまず石膏を削り自信の手で形状を形作っていったそうです。
このケトルも、実に2年もの歳月をかけてデザインされたそうですが、
流しでこのケトルを洗うと、そんな柳宗理氏の手のぬくもりというか、暖かさみたいなものを感じるような気がします。最近、プロダクトは3Dモデリングにシフトしておりますが、こうした「人の手で作る美しさ」ってどこかに残ればいいなと思います。
cg_20140305

ディーター・ラムス氏の「良いデザインの10カ条」にあてはめてみました。
現代において、湯を沸かすツールとして「革新的」かというと決してそうではないですが、これを超えるケトルがあるかというと他に例を挙げるのが難しかったため、4としました。ケトルの中では間違いなく一番革新的です。また、「恒久的」という点では、電気ケトルなどによって代用されていることも多いので4としました。

柳宗理の父、柳宗悦(やなぎむねよし)の特別展が日本民芸館で行われています。
私も先日行きましたが、今の季節入り口の梅がとても美しかったです。
興味がある方は是非足を運ばれてはいかがでしょうか。

茶と美 -柳宗悦の茶-
2014年1月10日(金)-3月23日(日)
公益財団法人 日本民芸館
〒153-0041 東京都目黒区駒場4-3-33
http://www.mingeikan.or.jp/

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