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『デザインを「見る」ときに必要な3つの視点』

      2014/03/01

「時間」「市場」「モノ」の3つの軸

これは私が大学で教授と雑談をしていて話になったことなのですが、ひとつの製品デザインを見るときには「3つの軸」から見るようにすると、考察が深まって充実していく、ということ。今回は教授との話を思い出して「3つの軸」を紹介しながら「デザインを見る」こと取り上げたいと思います。
わかりやすくするために、下のテレビのデザインを「3つの軸」で見る、という想定にしましょう。
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「時間」の軸で見る

1つ目の軸は「時間」の軸です。先ほど提示したテレビは2013年に発売されたソニーの4Kテレビですが、このようなデザインになるまでに、テレビのデザインがどのように変遷してきたかを見るのがこの「時間」の軸になります。テレビが原理的に開発されたのは1843年ですが、国内に流注し始めたのは1950年代。

OTVbelweder-front

(1958年の14インチTVセット 引用:wikipedia)

というかテレビってもう60年以上も存在し続けているんですね…冷静に考えるとスゲー。さて、60年の歴史があるとデザインも相当変わっていきます。当初は、とても巨大な箱形で木調のインテリア的なデザインが主流ですが、時代が進むにつれて赤や黄色のポップなデザインになったり、ビデオデッキ一体型、プリンター搭載型、なんてのも出てくるんです。お茶の間の主役になったテレビですから、世相をダイレクトに反映しているような気もします。この「時間」の軸で製品デザインを見ることで、ただうんちく的な知識を貯めこんでいくだけでなく、これからのデザインの方向性、ありかたなんかも考えることがにつながると思います。

「市場」の軸で見る

これは普段の仕事でも比較的馴染みの深い軸です。その製品の市場を調査し、どのような企業がどんな製品をリリースしているか把握します。モノが飽和し趣味嗜好が多様化する現代の市場ではターゲットやクラスターごとにペルソナを設定しデザイン展開をしていくのが主流かと思われます。以前、『デザイン家電はなぜ「四角くて、モノトーン」なのか?』という木全賢さんの著書を紹介した記事の中でも触れましたが、製品普及期には実に様々なデザインがあって見ていてワクワクするのですが、製品が衰退して市場から撤退する時期になると皆似たようなデザインになっているんですよね。これは現在のテレビ市場がまさにそうなのかもしれません。製品の市場性を観察するのがこの軸の役割です。

デザイン家電は、なぜ「四角くて、モノトーン」なのか?
木全 賢
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「モノ」の軸で見る

3つ目の軸はずばりその製品デザインそのもの。機能・デザインの観察です。先日の記事『常に頭の中に入れておきたい ”良いデザインの10ヶ条”』の中で紹介した「良いデザインとは、最終的にディティールへと帰結する。」というセンテンスにもあるように、ユーザーが気づかないようなとんでもない細かなところまでデザインをこだわりぬいた製品ってちょっとオーラが違うような気がします。Appleのデザインなどがその代表と言えますが、例えば製品の製造工程で生じてしまうパーティングラインをになくしたりすることでまるで彫刻のような存在感を醸し出していますよね。深澤直人さんのブランド±0の加湿器もとても美しいです。

±0 加湿器Ver.3 レッド XQK-Q030(R)

教授との話を思い浮かべてつらつらと書いてしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
「市場」と「モノ」の軸については日常の仕事でも見る機会があるかと思いますが、「時間」の軸で製品の変遷を調査するのはなかなか難しいかと思います。
ウィキペディアで調べるだけでもけっこうなインプットになりますのでおすすめです。帰りの電車の中で読んでいると一瞬で下車駅に着くこと間違いなし!

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