DESIGNHACK(デザインハック)

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『情報消費社会を勝ち抜くデザインマネジメント戦略』ーデザイン図書のススメ

   

先日の記事に引き続きデザイン関係の書籍を1冊紹介致します。
今後、「デザイン図書のススメ」ということで、デザイナーにおすすめの書籍を紹介していこうかなと思っています。
本日紹介するのは、『情報消費社会を勝ち抜くデザインマネジメント戦略』(佐藤典司著 NTT出版)です。
デザインマネジメント戦略―情報消費社会を勝ち抜く

佐藤さんはこの書籍の中で、私達消費者が消費するのは「モノ」だけではなく「情報」でもあると言っています。
「モノ」の消費とは、「基本的機能」を消費する行為です。例えば、時計であれば「時を刻むこと」、車であれば「高速で人を運ぶこと」です。以前まではみな「便利」を求めこうした「基本的機能」を消費していました。しかし、そうした「基本的機能」が当たり前になった現代では、そこに内包される「情報」(差別化するための付加価値)を私達は商品選定の基準にしているのです。
車であれば例えば「クルマのデザイン性」「ブランドイメージ」「広告」「展示会イベント」などが「情報」になります。

情報消費社会とは何か?という問いかけから始まり、情報消費社会におけるデザイン・マネジメントの戦略へと話は発展し、組織や人材評価までかなり具体的に進んでいきます。

以下は文中メモ。

「クルマのような、購入に際して多くの商品知識が必要とされる商品については、営業マンによる情報提供も重要な役割を果たす。彼らの商品知識、セールストーク、さらには販売ツールとしてのパンフレット、カタログの類も、クルマにまつわる大切な情報価値を作り出すはたらきをする。」

「こうして私たちは、あるひとつの商品を消費する際、その商品の基本的な機能部分の価値と、ブランド価値などを含めた、情報価値の両方を消費する。しかも今日では、後者の情報消費価値の比重が高くなりつつあることは言うまでもない。」

「能力があるのにも関わらず、権限のないデザインマネジメントは無意味となり、能力がないのに、権力を持ったデザインマネジメントは危険な存在となる」

「長い間、機能主体の工業社会に慣れ親しんできたわれわれだが、生産のための要素が機械(ハード)から人間(ソフト)に移ってきたことを既に了解し始めた。しかし、それはまだ生産者本人の問題だと思い続けている。よいアイデアが浮かばないのは、その本人に問題があるからだといまだに信じ込んでいる。しかし、情報消費社会では、これは問題の半分しか見ていないということになる。」

「クリエイティブの世界では、たった一行のコピーが売上の倍増をもたらしたとか、ある有名タレントの起用が、その企業の名を一躍世間にしらしめたとか、そういったた類の話が、伝説でもなんでもなく、まるで目の前で今すぐにでも実現できるかのように語られる。こうした成功話は、情報価値創造の仕事以外でも、ほかの成功条件をすべて無視して語られやすいものだが、この世界では特にその傾向が大きい。」

以前、佐藤さんが研究室の学生たちを引き連れて、私の会社のオフィスを見学する機会があり少しだけお話をしたのですが、
若い学生にも人気のある、ユニークで優しい方でした。
本の中ではバッサバッサ斬られているので少し意外でした。

デザイン・マネジメントについて、分かりやすく書かれていますので今後起業される方などにも是非読んでいただきたい一冊です。

デザインマネジメント戦略―情報消費社会を勝ち抜く
佐藤 典司
NTT出版
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